小園地区社協
小園地区社協の行事等を
お知らせするコーナーです。

自己犠牲は命ではなく行動と時間

小園地区社会福祉協議会研修会
令和6年3月6日(水)


 小園地区社会福祉協議会(小園地区社協)3月定例理事会の後、綾瀬市社会福祉協議会(綾瀬市社協)の香山様を講師に迎えて災害についての研修会を行いました。

 「減災には知識の備蓄も」と題して、次の三つのテーマで研修しました。
1.能登半島地震について
2.災害時小園地区では
3.災害が起きたら

1.能登半島地震について(M7.6 最大震度7)
 能登半島地震(発生:令和6年1月1日)では半島全域が甚大な被害を受けました。綾瀬市社協は早々に支援体制を整え、職員の方が、雪の中、貨物トラックを自ら運転し、飲料水や生理用品などの支援物資を、同半島の付け根にある内灘町へ届けてきました。内灘町は日本海と湖の挟まれた砂丘地に造られた町で湖を埋め立てた地区が液状化で生活道路をはじめ上下水道や電気などが大きな被害を受けました。同地区での再出発は多くの困難があり、地区ごと高台へ移転も一つの方法として検討しているようです。


 同半島の先端にある奥能登(輪島市や珠洲市)へは、日本海の海沿いを通る道と内陸部を通る道があるが、海沿いの道路は輪島市門前町や志賀町付近で震度7の地震により寸断され、穴水町を経由する内陸部の道路しか使えない。そのため、救助が難航して孤立地域が多く発生しました。半島特有の地形で発生した特徴的な災害であります、など被災状況の報告がありました。

2.災害時小園地区では
 小園地区で災害が起きたときに懸念されることは目久尻川沿いの住宅の浸水と住宅密集地での大規模火災です。
 目久尻川や宅地開発の埋め立てなどで低くなった地域は浸水が起こりやすいです。綾瀬市のハザードマップを参考に定期的に側溝を掃除する、雨水の浸入防止のための土嚢を準備しておく、などの対策が必要です。

 小園住宅団地は木造住宅が密集しているので火災を発生させない対策が必要です。例えば、大規模災害で避難するときは電源ブレーカを切るなどの対策を行いましょう。


    

  私たちにできることは、事前に備えることです。まずは、非常持ち出し品の準備をしましょう。
夏場と冬場では持ち出し品の内容も変ります。夏の場合は水、着替え、タオル、汗ふきシート、塩飴、ウチワ、自分でできる冷汗対策を。冬場はホッカロン、手袋など、防寒対策するものを準備する。

 我が家では、水や食料品、日用品をローリングストックで備蓄しておきましょう。

3.災害が起きたら
 災害が起きると、地域では避難所が開設されます。また、同時に災害対策本部が設置され、現状把握と救命救急期をどのように対応するかが協議されます。避難所の開設は被害の大きい地区から順番に行政の職員が開設します。よって、開設には、被災状況にもよりますが、平日の昼間帯で早くても半日程度かかります。発災が休日、夜間ならその倍以上の時間を要することもあります。

 発災して3日間を「72時間の壁」と言われ、人命救助のタイムリミットです。よって、安否確認、被災者の救助が第1優先です。もし、被災者を発見したら、消防に連絡すること。救出できそうな場合は一人ではなく複数人で行いましょう。2次災害を防ぐための心構えです。長時間がれきの下敷きになっていた被災者はクラッシュ症候群(詳細別項)を発症する恐れがあります。一時的な処置として、大量の水を飲ませるのも有効です。救急隊に救出したときの様子や救出した時間も伝えましょう。

 3日程度過ぎると一次避難所の運営は行政から地域の避難所運営委員会(自治会)に引き継がれます。
 同時期に災害ボランティアセンターの開設の有無について綾瀬市と綾瀬市社協で協議が始まります。ボランティアの受け入れが必要と判断され、2次被害が起きにくい時期になると災害ボランティアセンターが開設されます。本部は中央(市役所、市社協)で被災状況の情報等に基づいて、受入れた支援物資の収集・受渡しを行います。被害の多い地域(公園や学校のグラウンド)に、サテライト災害ボランティアセンターを設置します。そこで全国から駆けつけたボランティアの受入と派遣を行います。今までは地区社協の皆さんにサテライト災害ボランティアセンターの運営などをお願いしておりましたが、デジタル化(ICT化)にともない、市社協及び支援で駆けつけた他の社協職員が対応することになります。
 

心構え(まとめ)

自分の身は自分で守る
 みんながこの考えを持っているなら、避難所で再会できるはずです。

自己犠牲は命ではなく行動と時間
 誰かを助けるという考えは素晴らしいですが、誰かを助けるために、あなたが犠牲になっては意味がありません。また、助けに行く過程で、あなたも助けが必要な状況に陥る可能性もあります。そうなったら、また余分に人の手が必要になります。時には冷酷なほどの自制心が必要です。
災害時に必要な人材は、落ち着いて、感情に左右されず、周りをみて行動できる人です。
怪我無く無事に避難できたら、一息ついて、このあと自分が何をできるか考えましょう。

あなたの行動と時間はこれから必要になります。

懇親会では

☆地震はいつ来るか分からないのでこのような研修会を定期的に行って、防災意識を高めておく必要がある。
☆能登半島地震のように上下水道が長期間寸断されたら、トイレをどうするの、簡易トイレは数日しか持たない。行政同士が連携して対応してもらいたい。
☆我が家の耐震状況を確認します。
☆避難場所の確認や非常持ち出しを再度確認します。
☆携帯電話が不通になっても、家族との連絡をする方法を確認します。
☆質問形式(72時間の壁、クラッシュ症候群など)の研修は記憶に残るものが多かった。

などの声がありました。
クラッシュ症候群とは
 がれきなどに腰や足などが長時間挟まれ、その後圧迫から解放されたときに起こる。筋肉が圧迫されると筋肉細胞に障害がおこり血中に毒性の高い物質が蓄積される。その後、救助されて圧迫されていた部分が解放されると、血流を通じて毒素が全身へ広がり、心臓などの機能を悪化させて死に至ることがある。

住んで良かった小園≠ノ!



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